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Caratのオーナーである理美容師が皆様にお伝えしたいコラムです。

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名古屋の現役理容師が皆様にお届けするコラムです。
理美容業界やヘアケアについて、理美容師として情報発信をしたいと思います。

理美容業界の労働環境について。

今回は、私たち理美容業界の職場について、主に労働条件や働き方についてお伝えたいと思います。
ヘアスタイリストが働いている様子
かつて、理美容業界はテレビドラマや「カリスマ美容師」ブームの影響もあって若者たちから人気職業として支持されていました。
そのブームよりもかなり昔から、この業界に従事していた私からすると「ちょっと異常かな?」と思うほどでした。
理美容専門学校に入学希望する若者もとても多く、私たちが求人を出しても容易に人材確保が出来ました。

その結果、各事業所で育った若いスタイリスト達が次々と独立開業をしたので、今でも多くの美容室が街のあちこちにあります。
増え続けた美容室の現状ですが、現在は少しずつ減少し始めています。
その理由については、一つは供給過多で、もう一つについてをこれから後述したいと思います。

それでは、一体なぜ理美容店が減少しているのか?

サービス業のイメージ
あくまでも僕の考えですが、現在では一般的に、理美容業に限らずサービス業と言われる業種は、重労働、長時間労働、低賃金というイメージがあるのではないかと思います。

他の業種については僕が詳しく知っているわけではないので、お話するわけにはいきませんが、過去の理美容業は、自分の経験からも重労働、長時間労働、低賃金でした。
特に「見習い」とか「修行中」と言われるアシスタント期間のスタッフは、これに当てはまりました。

30年以上も前の話になりますが、私の修行中や勤めていた時代を振り返ると、確かに過酷なものでした。
修行期間の時の友人の中には、「住み込みの寮費を支払うと、手取りが5万円なんていう人」もいました。
私たちは技術を身につけなくてはいけないので、技術習得のためにレッスンが必須になるのですが、ほとんどのお店では閉店後に行うので、全てが終わって帰宅する頃には日付が変わっているなんてこともざらでした。
そもそも営業時間事態が10時間を超えるのが当たり前でしたが、食事や休憩の時間はスタッフ同士で交代で取るので、一人当たり15分〜20分というのも当たり前でした。
もちろん完全週休二日なんてものもありませんし、見習いの給料が適法な最低賃金を下回るのも普通だったと思います。

しかしあの頃、修行中の私たちは「それが当たり前」と思っていたので、不満を抱えながらも技術者を目指して普通に頑張っていました。
ただ、専門学校の同級生の半数以上が、これに耐え切れずに理美容業を離れていったのも事実ですが・・・。

普通はそんな熾烈な雇用環境がいつまでも続く訳は無いはずなのですが、理美容業界には先述した通り、約30年程前に、「カリスマ美容師ブーム」が到来したのです。
他のサービス業では人手不足解消のために、雇用条件が少しずつ改善されていったのですが、理美容業界については、「求人を出せば、いくらでも新人が入ってくる」という状況だったのです。
この美容師ブームは当の昔に終焉していますが、業界に根付いた労働環境は、中々変わりません。
つい最近まで、理美容業では、そのような雇用環境が普通でしたし、恥ずかしながら当社もそんな状況でした。

その結果、「理美容業は長時間労働」「給料が少ない」「休みが少ない」「仕事が終わっても練習をさせられる」というイメージが定着してしまい、理美容業は「人手不足の業界」に陥ってしまいました。

先述した理美容店が減っているもう一つの原因は、「人手不足」なのです。

それでは、理美容業の経営者はブラック経営者だったのか?

だからと言って、当時の経営者も悪意があって、そのような雇用形態を取っていたわけはないのです。
私が修行中だった時代は、理美容業だけでなく、世間の常識が「サービス残業」「休日出勤」「サービス業の低賃金」が普通だったし、
当時の経営者たちは、真剣に「弟子を育てる」といった気構えを持っていました。
若い頃の私は練習嫌いだったので、終業後のレッスンが嫌で仕方がなかった思い出があります。
休日も講習会やヘアコンテストの出場など半強制でしたから、しぶしぶ参加していました。
でも、そんな時に、いつも経営者も一緒に付き合ってくれて、誠心誠意をもって指導してくれたおかげで、いくつかのコンテスト入賞も果たせましたし、今こうやって事業を続けていられるのも彼らのおかげだと思っています。

また当時(つい最近までそうでしたが)は、理美容業界の施術料金が世間一般の生産高よりも比較的安いため、「長時間労働をしないと従業員の給料が確保出来ない」とか、「技術者に適正な給料を確保しようとすると仕事を身につけていないアシスタントの給料の確保が困難になる」といった事情がありました。

だからといって、私は「仕方が無い」とは考えていません。
理美容業は本当に素晴らしい職業です。
学歴も無い私たちでも技術や資格を身に付ければプロフェッショナルとして活躍することができます。
また、色々な職業の人と接することができるし、自分の考えを人に提案することができます。
その結果、人に喜んでいただける職業です。

可能な限り、時代に合った労働条件を整えていかないと、この業界に未来は無くなってしまいます。


実は、個人経営(人を雇わない理美容室が増えている)という現実


奴隷のイメージ
ふと気が付くと、僕の周りで従業員を雇い入れして経営している同業者が減っている事に気が付きます。
夫婦経営だけでなく、一人で事業を営んでいる同業者が増えているのです。
5人以上の雇い入れをしている同業者や、複数店舗を営んでいる仲間はごく少数になってきました。
以前は若い子を育てていたのですが、雇い入れを辞めてしまった同業の友人に理由を尋ねると「理美容はブラックと言われるから」と言っていました。
「一人(夫婦)で経営してた方が利益も出るし、気持ちが楽だから」と言っている友人も多くいます。
大資本の低料金のヘアサロンでは、今でも大々的に求人を行っていますが、理美容師志望者が、ちゃんとした技術が身につけようと就職先を探しても、「中々雇ってもらえない」なんて現象もそのうちに来るかもしれないなと思います。


理美容業がもっと魅力ある業種になるために

仕事を楽しむイメージ
僕ば、理美容業が大好きです。
今は一緒に働いてくれる若者がいるのが幸せで仕方がありません。
この先、年齢的に若い人を育てる事に無理を感じた時は、のんびりと一人で営業することも考えていますが、可能な限りはこの業界に関わっていきたいと思いますし、一人でも多くの人に技術の伝承をしたいと思っています。

そのためには事業所として、時代に合った経営をして若いスタッフの人たちが安心して働ける職場環境を用意する必要があります。

当社が職場環境の改良をしたこと。

昨年は、多くのスタッフが「子どもができた」、「国家資格とスキルが身についた」「結婚準備」等々で当社を旅立っていきました。
一気にスタッフが少なくなり、経営は困難を極めました。
しかし、そういうタイミングで、旧態以前な部分があった当社の職場環境を変える良い機会かもと思いました。
この一年で当社の働き方を大きく変えてみました。

変更点は以下の通りです。
@好評だった深夜営業の時間短縮。
A一日8時間労働の徹底。
B食事時間、休憩時間の際は、一時閉店する。
C完全週休二日制の導入。
Dママさんスタッフへの扶養手当支給。
E営業時間外の練習のは一切廃止(営業時間内の手の空いた時にやれば良し)。
F営業日の賄い(食事)の提供。
Gフルタイム出勤を望まない人にはパートタイム制の導入。


これだけのことを行うと、当然売り上げも下がりますので料金も見直ししないといけません。
また、営業時間の短縮や営業日の減少にもなりますので、お客様にとっては利便性も低下してしまいます。
結果、コロナの関係もあり、事業所としては収益は大きく下がりましたし多くの失客もありました。

でも、働く環境が改善されることに、スタッフのみんなが喜んでくれて
生き生きと働いてくれています。
商売として、数字の結果が出るのか出ないのか?出るとしたらいつ頃なのか?なんて考えてしまう事もありますが、これは理美容業の正しい進歩なんだと思います。

理美容業は本当に素晴らしい職業です。
こういう改革により、
こんな素晴らしい仕事を選んでくれる若者が一人でも増えてくれることを願っています。
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