プロが教えるホームカラーで気をつけてほしい事。

ヘアカラー売り場

今回は、皆様が自宅で使用するヘアカラーについてお話ししたいと思います。

 

Caratの近所のドラッグストアでは、上の画像のように豊富なヘアカラー剤が販売されています。

ヘアカラーの仕上がりの色も豊富で値段も様々です。

ヘアカラーの中には驚くほど低価格の商品もあります。

以前は「ヘアカラーはにおいが良くない」というイメージがありましたが、最近では、ヘアカラー剤が持つ独特のニオイは、かなり改善されています。

このようにドラッグストアなどで販売されているヘアカラー剤のことを、一般的にホームカラーと呼びます。

ホームカラーは理容室や美容室に行かなくても、簡単に髪を染められるので非常に魅力的ですよね。
私たちのような理美容師も、ホームカラーの品質が良くなっている事は十分に知っています。

最近ではフォームタイプといって、薬剤が泡状になるタイプのヘアカラー剤が主流になっています。
フォームタイプのへカラーなら、さらに簡単に髪を染める事ができます。

本当に便利な世の中になりました。

しかし、これだけ簡単に髪を染める事ができるホームカラーをプロの理容師や美容師が使用しないのは何故だか知っていますか?

実は、理容師や美容師がホームカラーを使わないのには理由があります。

また、ホームカラーを皆様が使う時には注意が必要なこともあります。

ということで、プロが教えるホームカラーの正しい使い方とヘアサロンのヘアカラーとの違いを解説します。

 

傷んだ髪の画像

まず、上の画像を見てください。

これはヘアカラーを繰り返し事によって、ダメージを受けてしまった髪の毛です。

このように傷んでしまった髪を損傷毛といいます。

損傷毛は傷みが少ないうちは髪がパサつく程度の症状ですが、損傷が進行すると、枝毛や切れ毛のような深刻な症状が現れます。

そして損傷毛の最も困った症状は、ヘアカラーをした髪の色が変色してしまうことです。

こういった現象を退色現象といって、ほとんどの場合は染めた時よりも色が明るくなってしまいます。

白髪染をしても、黒く染めた髪が、すぐに赤や茶色に変色してしまうことがありますが、これも退色現象です。

 

 

ヘアカラーをした髪

通常はヘアカラーをしても1カ月程度が経過すると、上の画像の様に段差ができてしまいます。

髪の根元付近は、新しい髪が生えてきているので本来の髪の色ですが、この本来の髪をバージン毛といいます。

そして一か月前に染めた髪の部分を既染毛というのですが、染めた髪色になっています。

このバージン毛と既存毛に対するアプローチが、サロンで行うヘアカラーとホームカラーの一番の違いなのです。

サロンでは、根元から生えてきた髪(バージン毛)だけにヘアカラー剤を塗付します。

このように、バージン毛だけにヘアカラー剤を塗布する技術をリタッチといいます。

 

リタッチする様子

この画像が、リタッチという技術を行っている様子です。

既に染めてある髪には薬剤を塗付していないのが分かりますよね。

リタッチという技法を用いて髪を染めるためには、コーム(櫛)と刷毛を用いて、半液体状のヘアカラー剤を塗布する必要があります。

泡状のホームカラーでは、物理的にリタッチという技法が使えません。

私達がホームカラーを使わない訳は、リタッチができないからです。

リタッチという技法を用いないで髪を染めると、髪を染めるたびに毛先部分にヘアカラー剤を塗布することになります。

繰り返しヘアカラー剤が塗布された毛先の部分は、髪の傷みが進行して損傷毛になってしまいます。

 

 

ダメージが進んだ髪

上の画像は、傷みが進行してしまった髪の画像です。

この画像は、ヘアカラーを繰り返したうえにパーマをかけてしまい、その結果、髪が溶けてしまった様子です。

このような状態まで髪の傷みが進行してしまった場合は、残念ながら修復をすることは不可能です。

対策法は、髪をカットするしかありません。

フォーム(泡)タイプのカラー剤は、誰でも簡単に染められますが、頻繁に使いすぎると髪に計り知れないダメージを与える危険性があります。

結論!!ホームカラーををする時に気を付けること。

 

「それではホームカラーは駄目なのか?」と思うかもしれませんが、たった一つのことを気をつけて行えば大丈夫です。

それは、頻繁に使いすぎない事です。

皆様がホームカラーを使うことは否定はしませんが、使用する場合は、月に一度程度に留めておくことをおすすめします。

カラー剤の手軽さと値段の安さのおかげで月に何度も髪を染める人がいますが、これが駄目なのです。

自宅ではリタッチという技法が使えない以上、これだけは守ってください。

白髪が気になる方で頻繁に髪を染めたい場合は、やはりプロの技術と安全なヘアカラー剤を利用した方が良いと思います。