新年のご挨拶と、今年からCaratが変わることのお知らせです。
皆様、新年明けましておめでとうございます。
今回は、新年の御挨拶と2021年からCaratが改定することを、皆様にお伝えしたいと思います。
旧年末は、新型コロナウィルスの感染拡大が世間で問題になり、社会では色々な変革をもたらせましたね。
Caratは飲食業ではありませんが、客数制限と時短営業といった形で、微力ながら感染拡大の軽減に協力させていただきました。
それによって、予約が取りにくい状況が生じてしまい、多くのお客様にご迷惑をおかけしたかと思います。
ご協力に対する感謝と、ご迷惑に対するお詫びの気持ちを、改めてお伝えしたいと思います。
本当に皆さま、御理解頂き、本当にありがとうございました。
また、御迷惑をおかけいたしました事を心よりお詫び申し上げます。
今年も、精一杯精進していきたいと考えております。
どうぞ、姉妹店「南風」ともども、Caratの御愛顧をよろしくお願いいたします。
今年から、Caratが変わる理由についてですが・・・。
これは、1月6日の初営業に向けて2日に開店準備が整ったCaratの店内の様子ですが、変わる事というのは店舗改装ではありません。
今回変わる事というのは、働く社員のために労働基準法に可能な限り適合するために変わる事が中心になります。
「そんなこと当たり前じゃん」とお思いになりますよね?
実は理美容業は「ブラック業界」と言われることが常態化している業界なのです。
長時間労働と見習いスタッフの低賃金が問題視されているのです。
その原因の1点目は、長時間営業。
これまで、当店の売りは夜遅くまで空いていることでした。
同様のサロンはたくさんあります。
おかげで、お客様からは「とても便利」と評価していただくことが多くありました。
土日祝日は朝早くから営業しておりました。
これも同様のサロンも多くありますが、「遊びに行く前に利用できるから助かる」と評価をいただいております。
皆様の御要望をすべて叶えるために、開業から18年間、ひたすらスタッフ一同頑で張ってきましたが、気が付くと、労働時間が12時間を超えてしまっていました。
個人的には、お客様の御要望にお応えするために、これからもこの形態で頑張っていきたい気持ちがあるのですが、これでは明日の理美容業界を担う若者たちが育ちません(業界に入ってこなくなっていますし、辞めていく若者も増えています)。
業界内では、労働基準監督署の調査を受けたり、辞めたスタッフから訴えられるというケースも見聞きするようになりました。
今年からCaratは、そのような業界の慣例を可能な限り改定することにしました。
そしてもう2点目は、低賃金です。
私が見習いの頃(30年近く前ですが・・)、法人経営のサロンで働いていましたが社会保険はありませんでした。
その当時の見習いの給料は13万円程度だった気がしますが、色々と引かれた上で、国民健康保険料と国民年金を払うと手取りは半分程度だった覚えがあります。
しかしそれは、その会社の給料が安かったわけではなく、当時はそれが常識で、住み込みの場合は給料の手取りが4~5万円の友達も沢山いました。
「見習いだからしょうがない」という時代だったのです。
現在は、そこまで給料が安い職場はないと思いますが、今でも最低賃金法が守られていない事例もちらほら聞きます。
この原因は何かというと、施術料金のデフレです。
例えば、自動車整備士(国産ディーラー)の一時間当たりの工賃(レバーレートといいます)は10,000円です。
高いと思われるでしょうか?
水道工事業の人が出張修理した場合や、大工さんが一点物の工事の依頼を受けた場合も、出張費以外に工賃は一時間当たり約10,000円を基準にするとのことです。
そうしないと経営が成り立たないのです。
2019年度のGDP平均は、1時間あたり4744円とのことですが、これは資格や特別なスキルも持たない人が労基が定める8時間フルに働いた場合であり、設備費や道具代、材料費、光熱費は含まれていません。
さすがにカットの施術料(1時間超)を10,000円にするわけにいきませんが、可能な限り他業種に引けを足らないように理美容師の地位向上のための努力をする必要があると思います。
とりあえず、この2点を少しずつ変えていかないと、いつまでも「理美容業はブラック企業」というレッテルを貼られ続けてしまいます。
そして具体的にCaratが変わる事①・・就労時間。
営業時間を適法な終業時間に改定いたします。
以前の営業時間では、就労時間が12時間を超えてしまいます。
平日は、10:30から20:30となり、昼食休憩のために12:30から13:30、夕食休憩のために17:00から18:00を一時閉店することにしました。
土日祝日は、9:00から18:30となり、昼食休憩のために12:30から13:30を一時閉店することにしました。
これを試験的に先月行いましたが、やはりスタッフのモチベーションが随分と違いました。
結果的に良い接客が提供できるようになりました。
・・・考えてみれば、他業種では当たり前のことなのですが(苦笑)。
そして具体的にCaratが変わる事②・・施術料金
施術料金についてですが、さすがに他業種の技術料金並みに頂くことは御理解を得られないと思いますので、せめて2019年度の1時間当たりのGDPに近付けることにしました。
カット料金は4,546円(税込5,000円)であれば、光熱費、材料費、設備費込みとはいえGDPに近付くことができます。
また、パーマやヘアカラーなどは、施術時間を要するサービスについては、所要時間相応の施術料金を設定させていただきたいと思います。
詳しく料金は、Caratの施術料金
をご覧ください。
最後に
私は理美容の仕事が大好きです。
好きだからこそ理容師と美容師の両方の免許を取得し、30年以上もこの職業についています。
私にとって、こんなに素敵な仕事は他にありません。
しかし、最近は若者がこの業界に就く事を望まなくなっている傾向があります。
「しんどい」、「つらい」といった業界の悲しいイメージがついてしまっているのかもしれません。
本当に楽しい仕事だからこそ、その原因を少しずつ変えていきたいと考えているからこその今回の改正です。
どうか、御理解頂ければ幸いです。