プロが教えます!薄毛や細毛、薄毛でお悩みの方へ、育毛剤の効果のお話。
今回は、育毛剤やそれに関する商品について、プロの視点から見た所見を伝えたいと思います。
この画像は、ドラッグストアの育毛剤の売り場の様子です。
ドラッグストアでは、育毛や発毛を目的としたシャンプーやヘアトニックなどが、たくさん販売されています。
近年は薄毛や脱毛で悩む男性も増えてきているので、きっとこのような商品も売れ行きが好調なのでしょうね。
そこで今回は、理容師と美容師の視点から見た、育毛剤や発毛剤の効果とそのメカニズムについて解説したいと思います。
最初にスカルプシャンプーという商品についてお話しします。
この画像は、ドラッグストアで育毛用のシャンプーが陳列してある様子です。
どの商品も発毛や育毛に効果があるような説明が書いてありますが、どれを見ても、はっきりと「髪が生える」と明記した商品がありません。
ほとんどの商品が「頭皮の環境をよくする」とか「頭皮に効く」などと、発毛や育毛の効果を具体的に説明していない場合が多いです。
このような商品の説明を見ると、実際に発毛や育毛の効果があるのかどうか信じられませんよね(笑)
理容師であり美容師でもある僕の考えを言わせてもらうと、このようなシャンプーを使用しただけで毛が生えてくることを期待してはいけません。
一般的に、育毛や発毛の効果を謳ったシャンプーを「スカルプシャンプー」といいます。
スカルプシャンプーの「スカルプ」は英語で「頭皮」という意味なので、日本語に訳すと「頭皮シャンプー」という意味になります。
スカルプシャンプーの目的は、頭皮に蓄積された皮脂を除去することによって、毛穴を掃除することです。
その結果、きれいに掃除された毛穴から育毛剤が浸透しやすくなるのではないか?というのがスカルプシャンプーが開発された経緯です。
確かに頭皮を清潔にすることは非常に良いことです。
しかし現在の医学では、「頭皮を清潔にすると髪が生えてくる」という正式な理論はありません。
もしみなさんがスカルプシャンプーを購入して使う時は、育毛や発毛に関しては過度の期待をせず、「頭皮を清潔にする」という程度の認識で使用してください。
もちろん頭皮が衛生的な事は良い事なので、スカルプシャンプーを使用することが全く意味がないというワケではありません。
そして今度は真打ち登場!!育毛剤について。
「それでは、やはり最も効果があるのは育毛剤なのか?」という話になるのですが、育毛剤も商品によって効果に違いがあります。
多くの育毛剤は、ショウガエキスとかトウガラシエキスなどが成分に入っています。
これらの成分が入っている目的は血行促進です。
しかしショウガエキスやトウガラシエキスは血行促進の効果があるのは事実なのですが、僕の知る限りでは、そのような商品を使って「髪がはえてきた」という人は見たことがありませんし、聞いたこともありません。
それらの商品のほとんどが「医薬部外品」といわれるものです。
残念ながら「使わないよりはマシ」程度だと思ってください。
しかし育毛剤の中には、効果が期待できるものもあります。
たとえば上の画像は、大正製薬が販売している育毛剤です。
この商品はテレビのCMで見かけますが、現在一番売れていると言われていて、「医薬品」に分類されています。
この育毛剤には「ミノキシジル」という有効成分が含まれています。
このミノキシジルは、米国のアップジョン社が「高血圧症の治療薬」として開発をしていた薬に含まれていた成分です。
高血圧症の治療薬として、血管を拡張する事によって血圧を下げる目的で実験をしていたのですが、残念ながら実験は失敗に終わりました。
血圧を下げる効果少なかったようです。
しかしこの実験の結果、被験者の髪が太くなったり薄毛か改善するといった副作用がありました。
ミノキシジルの作用によって、頭部の毛細血管が拡張されたのが原因だったようです。
「そういう事ならば」という事で、ミノキシジルを用いた薬を育毛用の塗り薬として販売をしたところ、アメリカでヒットしました。
このミノキシジルを主成分とした育毛用の塗り薬は、アメリカでは「ロゲイン」という名称で販売されました。
その「ロゲイン」の販売の権利を大正製薬が取得して、日本で販売しているのが上の画像の商品です。
日本での販売名は「リアップ」といいます。
僕は、日本で販売されている育毛用の塗り薬としては最も効果があると思います。
しかし、時代はもっと進んでいます。
しかしミノキシジルは、もともとは経口の服用薬でした。
だから、塗るよりも経口服用をした方が効果が高いです。
日本ではミノキシジルの経口服用の認可が出ていないので、塗り薬を購入するしかありませんが、海外ではミノキシジルを経口服用するタイプの薬も販売されています。
実は私も、ミノキシジルを経口服用しています。
若干の副作用があるといわれていますが、私の場合は特に問題はありません。
ただしこの商品を入手する場合は、自己責任で個人輸入をする必要があります。
※当然ですが、Caratでは販売はしておりません。
もう一つ、こういうCMをテレビや雑誌などで見かけますよね。
これはAGA(壮年性脱毛症)の治療薬の広告なのですが、これは日本でも購入が可能な育毛用の経口服用薬です。
薬の名前をプロペシアといいますが、もともとはフェナステリドといってアメリカのメルク社が開発しました。
プロペシアも、本来は育毛薬としてではなく前立腺肥大症等の治療を目的として開発をされていた薬品です。
今でも海外では前立腺の肥大の抑制剤として使用されていますが、日本では未承認です。
しかしこのプロペシアは、低用量の使用であれば脱毛の予防効果があるということで、多くの国で育毛剤として使用されています。
プロペシアは、日本でも病院で処方箋をもらえば購入が可能です。
ただしプロペシアは保険の適用外なので、1錠で約300円もします。
実はプロペシアも、現在ではジェネリック薬が出回っていて通販などでも安く購入することが可能です。
私もプロペシアのジェネリック薬を使用をしていますが、確かに効果があります。
ただしプロペシアのジェネリック薬も、自己責任で個人輸入をする必要があります。
最後に
発毛や育毛は、悩みを持つ人にとっては非常に深刻な問題です。
一昔前は「遺伝だからしょうがない」とあきらめる人が多かったですよね。
しかし現在は、品質の良いシャンプーを使って頭皮を清潔にした上で、副作用も良く理解して医薬品の育毛剤を使用すれば効果はあると思います。
ただし、海外の育毛剤をインターネットなどで個人輸入をする時には、偽物や粗悪品を購入させられるリスクもあります。
そのあたりの事を理解した上で、海外の商品を試してみるのも手かもしれません。
まずは専門の医師の相談して、自分に合った育毛剤を処方してみるのもアリです。
ちなみに、日本で未承認の育毛剤を国内で販売すると法律で罰せられます。
個人輸入で手に入れる時には、そのあたりを十分に理解して購入してください。