理美容室の「働き方改革」その2
今回は、理容室や美容室で実行可能な「働き方改革」について、当社が取り組んでいることを解説したいと思います。
理美容師は、以前は人気がある職業として多くの若者が就職しました。
その理由は、テレビドラマの影響だったり学歴に関係なくスキルや国家資格を身に付ける事が出来たからです。
特にカリスマ美容師ブームの時代は、美容師になりたいと思う若者が多く働いていました。
しかし最近は、理美容師だけでなくサービス業全般が人手不足に悩むような状況になってしまっています。
その理由は何故かと言うと・・・
理容師や美容師を目指す若者が少なくなった主な理由は、以下の4つだと思います。
- 接客業で働く事を好まない人が増えた事
- スキルや国家資格を身につけるのに、練習をしたり専門学校に通う必要がある事
- 長時間労働と見習い期間の低賃金
- 立ち仕事であること
1の接客業を好まない若者が増えた事は、サービス業全般で顧客のクレーム対応が増えた事が理由かと思います。
日本人の商売における「お客様は神様です」の風習が行き過ぎた結果で、飲食業やコンビニ等でカスタマーハラスメントが問題になっています。
当社で実行している職場環境の改善について
1に対する対策は難しい面もありますが、私たちは「応えるべきではない」と思う無理な申し入れや、道理的に考えてサービスが不公平になるようなオーダーに対しては毅然と断るようにしています。
これは、お客様全員に安定したサービスを提供するためだけでなく、スタッフが必要以上にストレスを抱えることを防ぐためです。
2のスキル取得に対する練習についても、当社では閉店後の練習を廃止しました。練習は平日の暇な時間帯に行えば良いのです。
3の長時間労働については、全てを改善することは難しいですが「営業時間の変更」でお知らせしたように、スタッフが十分な休憩時間を取れるように改革を行いました。
営業時間内であっても一時閉店する事により、スタッフが確実に十分な休憩時間を確保することができるようになりました。
今回新しく取り入れた改革は?
今回新しく行った働き方改革は、立ち仕事の疲労緩和です。
理美容業は、立ったままで長時間仕事をする職業です。
僕も見習いの頃は、立ちっぱなしの業務で足が痛くなった経験があります。
「そのうち慣れるから・・」というのがこの業界の常識なのですが、ここを変えていきたいと考えました。
その改革の内容は、作業用の椅子(エステスツール)の完備です。
エステシャンが使用するキャスター付きの椅子をスタッフ全員に用意しました。
これに座って作業することにより、スタッフの疲労がかなり低減します。
座って出来る作業は座って行えばよいのです。
座ってできる作業を、わざわざ立って行う必要が無いのです。
座って出来る作業とは?
例えば、エステの施術が座って出来る作業です。
エステサロンでは、この施術を座って行っているのですが理容室では立って行う場合が多いのです。
エステは、手や指先に非常に神経を使う技術なので座って行うことにより、疲労の低減だけでなく集中して行うことが可能になります。
これはスタッフが座った状態でお客様にサービスを提供している様子ですが、エステ以外のほとんどのマッサージメニューが立った姿勢で行う必要が無くなります。
かえって座って行う方が下半身が安定して、良いサービスを提供することができます。
部分的ですが、カットやパーマも座って行う事ができます。
このような方法を取り入れると、約3割の仕事を座って行うことができるようになります。
「理美容業は立ち仕事なので辛い」なんて言われますが、Caratは、こんな今までの常識を少しでも改善して、スタッフが楽しく働ける職場を目指していきたいと思います。