理美容師を目指す若者達へ

今回は、理美容師の仕事をするということについて、子供たちに講義をして来た時の話をしたいと思います。

三重県伊勢市の児童養護施設の画像

今回私が話をさせていただいたのは、三重県伊勢市にある「天理教三重互助園」という児童養護施設に入所している子どもたちです。

ここでは約30名の子ども達が生活をしていますが、今回の講義は中学生から高校生の子どもたちを対象でした。

講義の依頼元は、三重県庁の「三重県子ども・福祉部 子育て支援課」という部署です。

この部署は各自治体の児童相談所を統括する所で、愛知県や岐阜県の場合は「子ども家庭課」と呼ばれています。

三重県の児童福祉の実情は・・・

この日は少し早い時間に施設に到着したので、施設長の方と話をする時間がとれました。

その話の中で、三重県の場合は、入所措置(色々な事情で子どもを施設に入所させること)のほとんどが北勢地方とのことを知りました。

天理教三重互助園に入所している子どもたちも、三重県北部出身が多いとの事。

中勢や南勢は観光業や農業や林業、漁業が中心でのんびりとした地域のため、問題が起こる家庭が少ないらしいです。

やはり都市化や工業化が進むと、人間関係がぎくしゃくしたり貧困問題が生じて気の毒な子どもたちが出てきてしまうのかな?などと想像してしまいました。

実際に、この施設の子ども達は、名古屋市内の児童養護施設に比べるとのんびりしていて大らかな子が多いような印象を受けました。

この日の講義の内容は

この日の講義は、19時スタートでした。

私以外に講義に参加してくださったのは、名古屋市内で製造業を経営する(株)メートシステムワークの原田社長と、三重県松坂市で飲食業を経営する(株)マジェスティックダイニングの和田社長です。

どちらも、私と一緒に「職親の会Rookies」で活動をして下さっているメンバーです。

施設を退所してから飲食業と製造業、理美容業に就く場合に必要な心構えや適正についての説明を各々行いました。

理美容業で働く場合は・・・

理美容業で働く場合の説明では、働きながら専門学校に通う必要がある事。

その際には学費がどれだけ必要かという事。

理美容業の楽しい事としんどい事などを伝えました。

この仕事は学歴が無くても技術者になる事が可能なのですが、技術者としてのレベルを上げるためには「努力」と「聞く耳」が必要です。

若い頃の僕は、それが理解できていなかったので随分と遠回りしたという話をしました。

製造業の場合は・・・

製造業の原田社長の講義

この画像は、製造業の原田社長の講義の様子です。

製造業と言っても職種は様々で、職場の選択次第で学歴は無くても、単なるライン工場の工員としてではなくエンジニアとして活躍することが可能だという事を教えてくれました。

社長自身がそういった出身で、長野県の田舎から単身で上京して、身一つで経営者になった経験があるからです。

真面目を絵にかいたような温厚な社長の言葉は非常に温かく、すっと心に入る講義でした。

飲食業の場合は・・・

飲食業の和田社長の講義の様子

三重県と愛知県にラーメン店のチェーンを展開する和田社長は自身の失敗談を交えながら、真面目に仕事に向き合う事で未来は開けるということを話してくださいました。

一時は本州のあちこちに何十店舗も出店して失敗した経験から学んだことや、事業の建て直しには、料理に対する執念やこだわりが必要だったことなどを面白おかしく話をしてくれて、会場は子どもたちの笑いで包まれました。

ユーモアが溢れる和田社長の話し方は子どもの心をつかむのがとても上手で、僕も勉強になりました。

最後に

この日は三重県庁と児童相談所の職員、そして伊勢市長の鈴木健一さんも参加して下さいました。

最後に私から子ども達に伝えたのは、

就職をしてから辛い事や仕事を辞めたくなった時は、行政をはじめ周囲の大人に気兼ねなく相談をするようにという事です。

逃げ出したり飛び出したりしても道は開けないと思うからです。

失敗は誰にでもありますし、やってみたら続かなかったなんてこともあって当たり前です。

うまくいかない事があっても、恥ずかいことではありません。

気まずくても遠慮なく周囲の大人を頼って欲しい。

そんな体制作りを一緒に考えて下さると言ってくださった伊勢市長に対し、心から感謝します。